TSA活動レポート
【インタビュー】院生コーチに聞く!筑波大学で学ぶ理由
掲載
筑波大学の運動部では、大学院生が自身の研究や競技活動に取り組みつつ、指導法を学びながら〝院生コーチ"として多数活動しています。今回は、蹴球部でコーチを務める高柳さん(院2)にお話しを伺いました。
プロフィール
高柳 昂平 Kohei Takayanagi
人間総合科学研究科 体育学専攻2年
2017.3 体育専門学群卒業(蹴球部主将/インカレ優勝)
2017.4~ いわきFC(社会人リーグ/選手)
2018.2~ グルージャ盛岡(プロサッカーJ3リーグ/選手)
2019.4~ 筑波大学 大学院
―プロチームでの競技生活はどうだった?
プロでの競技生活は短かったですが非常に充実していました。様々な経歴ある選手が集まっているので他の環境はどんなものか、トップレベルの選手はどういったメンタリティーで行動していたのかを共有できたのは自分にとって貴重でした。
J3といえどプロなのでやはり結果を出さないとクビになります。サッカーでお金をもらって生きていくために試行錯誤した日々は先々に活きると感じています。
プロとはいえサッカーだけでは生活できなかったので仕事もしていました。職場も含め多くの方に応援してもらい、支えられてサッカーができていることを改めて感じました。
―大学4年次、主将としてチームを率いてインカレ優勝へ
その時に感じたのは組織のまとまりがチームの力を何倍も高めてくれることです。自分たちの代は最弱世代といわれるほどタレントはいませんでしたが、チームづくりに注力したことで結果が出たと思っています。その経験は卒業後もチームに対してどのように働きかければいいのか、どうすれば勝利に近づくのかを考えるにあたって活きたと思っています。
<2016全日本大学選手権にて, 13年ぶり優勝>
―選手引退後、大学院進学を選んだ理由は?
一般企業就職や教員なども考えましたがサッカーに携わりたいという思いがあり、サッカーの指導を勉強するならもう一度筑波大学でと思い進学しました。指導を学ぶにも、研究をするにも筑波大が一番環境もノウハウもあると思っています。特に蹴球部監督の小井土先生のもとでコーチングを学びたいと選手時代から考えていたのは大きな決め手でした。
―大学院ではどんな研究をしたい?
GPSを利用したサッカーのパフォーマンス分析、トレーニング負荷の定量化に関する研究です。トレーニングを考えるにあたって負荷のコントロールは非常に重要であり、海外では当たり前に行われています。しかし、日本サッカーでは海外に比べるとまだまだ遅れていると感じます。海外の研究を参考に日本に取り入れるための新たな知見になるような研究ができればと考えています。
蹴球部ではGPSを利用したトレーニング、試合のモニタリングを行っているので、研究で学んだことが実際の現場に活かされていると感じます。研究成果や、やろうとしていることをすぐに現場で試して活かすことができるのは筑波大学の良さです。
<大学4年次の高柳さん(写真中央,#6)>
―現在、指導時に心がけていることは?
常にトップレベルを意識して、トライさせることを促しています。ただ何となく無難なプレーをするのではなく、思い切ってチャレンジすること。プロでは他の選手と違いを出せる選手でなければ生き残れません。プロに行ける選手、活躍できる選手は必ず違いを出せる武器を持っているので、学生にはトライするようにとしつこいくらい言っています。
同部出身なので選手の気持ちは理解しやすいと思っています。指導者だからなどではなく、選手の気持ちをなるべく理解して、一緒にやっていこうというスタンスで選手に向き合うことを意識しています。スポーツにおいてはメンタルが重要なので話を聞いたり、励ましたりなども積極的に行おうと心がけています。
―後輩たちへ伝えたいこと
筑波大学にはあらゆる才能を持った優秀な人材が集まります。他の研究室や部活の人と情報交換をして、様々なことにトライすれば自ずと自分の価値が高まっていくと思うのでこの環境を存分に活かしてほしいです。
※この記事は、つくばスポーツニュースフラッシュvol.77(2020年5月発行)へ掲載しています。