TSA活動レポート

【東京2020インタビュー#2】飛込・榎本遼香さん

掲載

東京2020オリンピック・パラリンピックに出場した本学アスリートの皆さんに、東京大会の感想や今後の目標、後輩の皆さんへのメッセージなどをお伺いしました。
第2弾は榎本遼香さんです。ぜひご覧ください。

 

 水泳/飛び込み 

榎本 遼香 Haruka Enomoto
人間総合科学研究科 体育学専攻2年/体育専門学群2018年度卒

<主な競技成績>
2017.8 ユニバーシアード 女子団体3位、10mシンクロ4位(大学3年時)
2019.7 世界選手権 シンクロ3m飛板飛込出場
2021.5 ワールドカップ 3m飛板飛込8位、シンクロ3m飛板飛込8位(→2種目で東京五輪内定)
2021.8 東京五輪[女子シンクロ3m飛板飛込5位入賞、女子3m飛板飛込 準決勝敗退(17位)]

(写真:アフロスポーツ)

―初めてのオリンピックの舞台で戦った感想は?

幼少期からの夢だったオリンピックという舞台は、自分が思っていたよりも怖いところではなかったです。最高な舞台の限られたあの瞬間にピークパフォーマンスを発揮する難しさを痛感しました。
自分自身としても、競技最優先でありながらもスポーツの祭典という面でのオリンピックも肌で楽しむことができ、オリンピックの空気感と一体となって戦うことができたと思います。

―榎本選手にとって、東京2020オリンピックはどのようなものでしたか?

今までの競技人生の中においても、オリンピックまでの道のりは長く苦しかったです。それでもそこまでに身につけた技術は、これからの競技人生を頼もしく支えてくれると思います。憧れだったオリンピックは一瞬で終わってしましましたが、次の3年後も目指したいと思わせてくれたオリンピックでした。

女子シンクロ飛板飛込5位入賞の榎本さん(左)、宮本葉月さん(右,近畿大3年)(写真:アフロ)

―自国開催のオリンピックに出場できたことについては、どのような想いがありますか?

私が生きていく中で、もう1度あるかないか分からない自国開催のオリンピックに出られたことをとても誇りに思います。
無観客ではありましたが、時間帯が丁度よく、多くの方がテレビの前で応援してくださっていたようです。地元の幼稚園の園児から「飛込競技はどこでできますか」と聞かれました。戦っていた姿から興味を持ってもらい、競技を知る・体験するきっかけの後押しが少しできたのかな、と嬉しく思いました。

―東京2020を見据える中で、本学大学院へ進学し、オリンピックを目指し、出場されたことの意義をどのように感じていますか?

私は競技だけが人生ではないと思っています。競技後の人生のほうが長い中で、私の競技経験や体験してきたことが研究の引き出しになるので、私自身も考えつつ学びつつ競技にも取り組むことができ、飛び込む1本1本を大切にできると思います。そして今後、次世代の選手の手助けになり得る内容が紐解けるだけでも立派な価値があるのではないかと思います。

筑波大学壮行会で抱負を述べる榎本さん

―ご自身の研究活動は、競技活動へどのように活かされていますか?

私が所属しているスポーツ運動学は、私が実際に現場で感じている技がなかなか安定しない難しさも指導者と選手の関係も、競技に向き合う心の状態についても勉強ができています。正直なところ、オリンピック前は「練習しなきゃ、勝たなきゃ」という気持ちが大きく、モチベーションは下がる一方で苦しい時間が続いていました。しかし、指導教員の先生に「本来は飛込が好き、楽しい、純粋にうまくなりたいだったはず」と研究分野の内容も交えながらお話を聞かせて頂いたときに、ふと肩の荷が下り、再び練習に向き合うことができました。現場の学問だと改めて感じました。

―今後の目標や夢は?

私は「誰かの目標になる」ことが夢です。これは競技力だけではなく、人間力も伴っていないと成しえない夢だと思うからです。私が頑張ることで、そこに目標や夢を見出し頑張るきっかけを与えられたらと思っています。
この状況でスポーツが不要不急のものだとされました。オリンピックで得られたものはこれから私も探していき、スポーツで得られる夢、行動力、楽しさを知るきっかけを子供たちに伝えられる人になりたいです。

―最後に、筑波大学の学生たちへメッセージを

競技も学業も時間をかけて挑めるときはまさに今だと思います。機会があれば皆さんといろんなお話をして私もまたそのエネルギーをモチベーションに変えていきたいと思っています。No pain No gainの精神で一緒に頑張っていきましょう!!

女子3m飛板飛込 準決勝にて(写真:アフロ)

 

 

 東京2020インタビュー一覧へ >