University of Tsukuba Rugby Football Club

大学選手権 VS流通経済大学レビュー

12/13()に秩父宮ラグビー場にて全国大学選手権の3回戦である流通経済大学戦が行われました。

VS流通経済大学  19-19  Draw  (抽選の結果、準々決勝進出ならず)

 

試合総評、MOM選出:石川千暁(BKコーチ)

 <試合総評>

筑波大学は関東大学対抗戦にて4勝3敗の5位という結果を残し全国大学選手権の初戦を迎えました。対戦相手となった流通経済大学とは夏に2回合同練習という形で試合形式の練習を行っています。外部との合同練習ができず先が見えない中、学内で活動していた自分たちに対して、十分な感染対策を行った上でグラウンドを提供していただき、合同練習を実現させてくださった流通経済大学の皆様には感謝しかありません。この夏の試合を行えたことが今シーズンの自分たちの成長に繋がりました。そのような相手との試合であり、自分たちの積み上げてきたものを発揮しようと試合に挑みました。

試合は開始早々にスクラムのフリーキックを起点にBKが展開しFB松永がラインブレイク、サポートしたWTB植村がトライをあげました。その後も積極的にATを仕掛けますが、流通経済大学の前に出るDFに対してボールを継続することができず、自陣に攻め込まれ、相手FWの粘り強いATを受けます。そのATに対して何度もタックルを当てゴール前ギリギリで防ぎますが、ポイントに寄ってしまったところを展開されトライを許し、7-7の同点となります。その後も一進一退の攻防が続きますが、スクラムを起点にDFライン裏のスペースへのキックからトライを許し逆転されてしまいます。その後も相手の勢いのあるATDFする展開が続きますが、DFでターンオーバーしたボールを一気に展開しCTB岡﨑がラインブレイク、サポートしたSH鈴村WTB仁熊とつなぎトライをあげ再逆転し前半を14-12とリードして折り返しました。

ハーフタイムには、改めてボールを継続しATしていこうと話し合い後半に向かいました。後半もお互いに積極的にATを仕掛けますが、あと一歩のところでDFが粘りスコアが動かない展開が続きますが、後半10分にゴール前まで攻め込みゴール前のスクラムからショートサイドにSH鈴村が持ち出しトライをあげます。しかしその後すぐに、ATを継続されたところから再びDFライン背後へのキックからボールを繋がれトライを許し同点に追いつかれました。その後も積極的にボールを展開し何度もチャンスを作り出しましたが、得点につなげることができず試合は終盤に差し掛かります。同点のまま試合終了間際となり、ペナルティを起点に流通経済大学がゴール前に攻め込みます。トライを取られると敗戦という状況で選手たちは身体を張り続けこぼれ球にHO安里が飛び込みターンオーバーします。自陣ゴール前でありミスや反則を犯してしまうと敗戦という状況で、選手たちはインゴール内からボールを継続しグラウンド中央までボールを運びます。そこからさらにATを継続しますが、相手のノックオンという形で試合は終了しました。

同点かつトライ数・キック数でも並んだため抽選が行われ、抽選の結果流通経済大学が次戦に進出することとなり、岡﨑組はこの試合で解散という結果となりました。試合を見ていただいた方には伝わっていると思いますが、選手たちは最後の最後まで勝利を目指し戦い続けてくれました。

ラストワンプレー、自陣ゴール前で相手ボールを奪った場面で、彼らには自分たちで試合を終わらせ引き分けでの抽選を選択することもできました。しかし、選手たちは自分たちでリスクを負ってでも勝利を目指すことを決断しボールを継続してグラウンド中央まで攻め込みました。結果的にはあの場面で蹴り出していても変わらない引き分け、抽選という形に終わりましたが、最後まで自分たちを信じチャレンジし勝利を目指した選手たちの決断は素晴らしいものであり、このような決断をした選手たちを私は尊敬します。メンバーそしてメンバー外も含めた4年生にはこの決断をすることができるチームを作り上げたことに対して胸を張って引退してほしいと思います。

残される下級生たちは、この試合から感じたものを次につなげてほしいと思います。今日選手たちが見せてくれた試合は「筑波を示す」という4年生が掲げた目標を体現した誇れるものですが、善戦や引き分けを目指していたわけではありません。あくまで勝利を目指して戦っており、下級生や自分を含めたチームに関わるスタッフにはこの結果を次は勝利に変えるために必要なことを考える責任があります。自分が選手だった頃、古川先生がよくおっしゃっていた言葉に「他の強豪大学に比べ限られた環境で自律を掲げ活動している自分たちだからこそ、勝利・日本一を目指さないといけない」というものがあります。今回の試合のようにたとえ試合に勝つことができなくても人の心を打つ試合をすることができることは筑波ラグビーの誇るべきところですが、まさにこの言葉の通り、今後も「勝利・日本一」を本気で目指し活動していかなければならないと感じています。その上で見る人を感動させられるような試合ができるチームを目指していきます。

最後になりましたが、今シーズンは新型コロナウイルスの影響によって同じ大学ラグビーの中でも試合をできず引退したチームもあります。そのような状況の中、望む結果ではありませんでしたが試合をしてシーズンを終えることができました。試合の実現にあたって尽力してくださった関係者の皆様、筑波大学ラグビー部の活動に対してサポートをしていただいた皆様に改めて感謝申し上げます。ラグビーができることに改めて感謝し、今後も活動していきたいと思います。

今後とも筑波大学ラグビー部への応援を宜しくお願い致します。

 

<コーチが選ぶMOM

この試合のMOMは岡﨑組の4年生全員を選出したいと思います。

シーズン最終戦にありきたりな4年生全員という選出となってしまいましたが、FWが見せた安定したセットプレーやゴール前での激しいDFBKが見せた積極的でスピードのあるATや湧き出るようなサポートからのトライ、そして最後まで全員で勝利を目指し戦い続けた姿は4年生が先頭に立って努力した結果です。新型コロナウイルスの影響によって思い描いていたような最終学年とはならなかったと思いますが、4年生には自分たちが残した姿に誇りを持ってほしいと思います。

 

<岡﨑組を終えて>

主将 岡﨑航大

日頃より筑波大学ラグビー部を応援していただきありがとうございます。

先日の試合をもちまして、今シーズンの筑波大学ラグビー部、岡﨑組は活動を終えました。今シーズンは新型コロナウイルスの影響で活動自体が難しい状況でしたが、関東大学対抗戦や大学選手権を開催していただき、関係者の方々、また、筑波大学ラグビー部をサポートしていただいたすべての方に感謝申し上げます。

岡﨑組は「大学選手権優勝」、「日本一」を目標にし、チームスローガンである「HARD」を掲げました。どの大学よりも「HARD」にラグビーと向き合い、厳しく、激しく、固くを体現することで「筑波を示す」ために部員全員が活動してきました。

最後の試合では選手全員がチームのために体を張り、最後の最後まで諦めず激しいプレーで戦い抜きました。結果としては悔しい部分もありますが今シーズンで1番「HARD」できた試合だと感じており、「筑波を示す」ことができたと思っています。筑波大学ラグビー部という組織の一員であること、共に戦ってきた仲間達を誇りに思います。

今シーズン主将を務めるにあたり多くの仲間、家族、友人に応援していただき支えられました。この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。

これからも筑波大学ラグビー部の応援よろしくお願いいたします。

 

副将 中原健太

今シーズン、筑波大学ラグビー部を応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。

先日行われた大学選手権3回戦の流通経済大学戦では筑波大学らしいDFが随所に見られる良い試合だったと思います。一方でATではミスによってボールロストすることが多く、持ち味を活かしきれなかったと感じています。ぜひ後輩達には良いところは引き継ぎ、課題は修正して僕たちが見ることができなかった「日本一」の景色を見てほしいと思います。頑張って下さい。

今シーズンの総括といたしましては新型コロナウイルスの感染拡大により春シーズンが行えないなど大変難しいシーズンでした。チーム作りも期間が短いため当然難しい中で岡﨑主将を中心にそれぞれの選手・スタッフがより主体的に動くことによってチームとしてまとまることができました。結果こそ出すことはできませんでしたが今シーズンのスローガンである「HARD」をチームとして体現することができたのではないかと思います。

最後になりますが今シーズン自分たちがプレーしきれたのは多くの方々の支えがあったからこそです。本当にありがとうございました。岡﨑組は今回の試合を持って解散となりますが引き継ぎ筑波大学ラグビー部への温かいご声援をよろしくお願いいたします。

 

副将 山田雅也

筑波大学ラグビー部への多大なるご声援をいただき誠にありがとうございました。

先日の大学選手権3回戦をもって今年度のチームは活動を終えました。新型コロナウイルスという未曾有の状況下で始まった特別なシーズンでしたが、最後まで「HARD」に戦い抜いた全ての仲間を誇りに思います。「日本一」という目標を達成することはできませんでしたが、チームが一丸となって臨んだ最終戦におけるプレーの数々はまさに「筑波を示す」ものであったと自負しています。ご観戦いただいた方の心に何か響くものがあったのだとしたら、嬉しく思います。今回味わった悔しさを糧に、来シーズンは後輩たちが躍進してくれると信じています。

最後になりますが、このチームをサポートしてくださった全ての皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

主務 石原直幸

今年度、チーム「岡﨑組」への温かい応援ありがとうございました。

HARD」というスローガンの元、「日本一」、「筑波を示す」という目標に向かってこのチームはスタートしました。そして先日引き分けとなって終えた流通経済大学戦、グラウンドで戦った選手は岡﨑組が大事にしている部分を体現してくれました。私はあの時、チームベンチから試合を観ていました。80分間どの瞬間、どのプレーを思い出してもグラウンドでは桐の葉を背負った選手が身体を張っていました。あの時の感情はとても言葉では表現できませんが、外から観ている私でさえ頭が真っ白になり身体が震えていました。グラウンドの中で戦う選手の重圧は想像もできませんでした。あれだけの死力を尽くし、スコアが同じで抽選で負けたとしたのなら、勝利の女神に見放されたのだなと思うしかありませんでした。むしろグラウンドで戦った選手が誇らしくもありました。

今シーズンは振り返ると非常に難しいシーズンでした。春のセブンス、春季大会も中止、グラウンドでの練習が制限され、1年生との合流は7月頃だったと記憶しています。嶋﨑監督、岡﨑主将をはじめコーチ陣リーダー陣は前例のないシーズンの中チーム作りを苦労されたと思います。本当にありがとうございました。私自身、大学生活最後の1年を主務としてこのチームに関われたことを嬉しく思います。

来シーズンも現3年生を中心としてまた新たなチームがスタートします。岡﨑組が体現した「HARD」、「筑波を示す」という部分はきっと新たな形で続いていくと思います。今後とも筑波大学体育会ラグビー部の応援をよろしくお願いします。

 

<編集後記>

今年度は新型コロナウイルスの影響で本格的に練習が始まったのは夏からだったので、あっという間にシーズンが終わってしまいました。しかし、4年生から教えられたもの、感じたものはたくさんありました。特に今回の流通経済大学戦では、体の大きな相手に対してダブルタックルで刺さり続ける姿、ルーズボールへの素早い反応とセービング、抽選を選ぶこともできる状況での自陣インゴールからの強気な攻撃など「泥臭く」「HARD」に筑波を示したメンバーのプレーが、今後自分がどのようなプレイヤーを目指せばいいのかをより明確に教えてくれました。また、普段の練習では「協働と競争」が学年関係なくできるようなチームの雰囲気作りなど筑波としてどのようなチームを目指せばいいのかも示してくれました。多くのことをチームに残してくださった4年生の想いも背負い来シーズンも「日本一」に向けて頑張りたいと思います。

最後になりますが、筑波大学ラグビー部を支えていただきありがとうございます。様々な方々のご協力で先の見えないこの大変な状況下でも最後まで試合をしてシーズンを終えることができました。引き続き、来シーズンも熱いご声援をよろしくお願い致します。(試合レビュー担当:矢島健吾)

 

RSS
Facebook
Twitter

TOP