University of Tsukuba Rugby Football Club

全国大学選手権大会 天理大学戦

12月11日(日)に花園ラグビー場にて、全国大学選手権大会の3回戦である天理大学戦が行われました。

レビュー担当:村上大記(ヘッドBKコーチ)

 

〈試合総評〉

2年ぶりの大学選手権、筑波大学の初戦は花園ラグビー場で天理大学との対戦でした。

天理大学は一昨年の大学日本一のチームであり、毎年夏に行われる定期戦でも近年は勝ち星を挙げることができておらず、筑波大学はチャレンジャーとしてこの一戦に臨みました。

試合開始直後に相手のシンビンもあったことでチャンスを掴むと立て続けに3トライを奪い、今年最高の立ち上がりを見せました。どのトライも早めに自陣を脱出し、敵陣で攻撃する時間を長くもてたことが要因となったと考えます。

しかしながら4本目のキックオフレシーブからのキック合戦でBKにキャッチ・キックのエラーが起こると、そこから自陣でDFする時間が長く続きました。粘り強く守り何度かターンオーバーを起こしましたが、再び起きたBKのキックエラーを起点に天理大学にトライを返されます。

以降は一進一退の攻防が続きました。DFにおいては変わらず良い接点を続けるも、キックの精度が悪く、なかなか自陣を出ることができませんでした。そんな中キックの応酬からラッキーバウンドが筑波大学に入り、そのままトライとなりました。偶然ではありますが、それをトライに結びつけたチェイスやその後の展開は見事でした。

しかし直後のキックオフレシーブでは、狙いは良かったのですが自陣からのATをターンオーバーされ、その後のスクラムからトライを奪われ、天理大学が後半に望みを繋ぐ形で前半を終えることとなりました。ここをしっかり締めておけば、後半の入りがもっと良い展開になったはずです。

後半は勢いづいた天理大学に先にトライを奪われ一時9点差まで詰められました。しかしエリアマネジメントが改善したことで終始筑波大学のペースでゲームを進めることができ、最終スコアは50-22で筑波大学が勝利をおさめました。

今回のレビューはエリアの攻防を着眼点としましたが、続く東海大学戦でも間違いなくこのエリアの攻防が勝敗を左右するキーポイントになるはずです。BKは頑張りましょう。

またこのゲームを支配できた大きな要因はバチバチの接点がチームの基盤にあったからです。木原組が掲げたスローガンを基に1年間取り組んできた証を見せてくれたことを誇りに思います。

日本一まであと3つ。さらにチームとして成長し、駆け上がります。

 

〈印象に残ったプレー〉

後半35分からの一連のDF

キックチェイスから14濱島遼(体育1年・福岡)が低いタックルで刺さり、17大塚(体育3年・茗溪)/7楢本鼓(人文文化3年・修猷館)のダブルタックルで相手にゲインを許さず、13松島(体育4年・大分舞鶴)が相手のパスエラーに反応し鋭く前に出てプレッシャーをかけ、最後は16平石(体育3年・桐蔭)が相手の不用意なパスにドンピシャで突き刺さりました。(結果は筑波大学のノックオンを取られました。)

ゲーム終盤の時間でもDFで前に出ることを体現できたことが、この試合を象徴していると感じました。

 

 

MOM

この試合のMOMには、肥田晃季(体育4年・春日丘)を選出します。

接点でバチバチ身体を当て続け、DFでターンオーバーする局面にはほとんど肥田が絡んでいました。前向きなキャラクターで常にチームを引っ張り、練習中も木原組が掲げる「本気のやり合い」を地で行っています。最後までチームの先頭に立ってもらいたいです。

トライを喜ぶあまり仲間にラリアットするのはやめてください。

肥田晃季(体育4年・春日丘)のコメント〉

このチームはまだ成長できる、ここで終わるわけにはいかないとAチームだけでなく、筑波全員で天理に挑もうと、準備してきました。

 春シーズンの定期戦ではここ最近勝てておらず、チームとして勝ち方のイメージや実績がない中で、筑波としてとにかく接点で一歩も引かず、相手のフィジカルに真正面から挑んでいく気持ちを強く持って試合に臨みました。

 天理に向けた練習では、Bチームが高強度で圧力をかけてくれてゲームライクなシーンを何度も経験することができました。今年になって練習の強度が試合に直結することをチームとして実感できるようになり、「バチバチ」というスローガンの下、本気のやり合いを筑波の中で起こすことができていると思います。

 試合中はとにかく接点でバチバチに体を当てることしか意識していませんでした。自分たちFWの肉弾戦を制してこそ、BKのアタックが活きてくると思っていたので、ブレイクダウンとコンタクトの強度を80分間落とさないようにしました。

 一方で、声のつながり,という点では課題が残りました。

ノミネートする相手やアタックの自分の細かい立ち位置など、自分でわかっていても仲間に伝えることができず、綻びができてしまっている部分がありました。チームとして日本一を狙う上でそのつながりの部分を一人ひとりが重要性を理解して,自分から発信するチームになっていかなければいけないと感じました。

 個人的には遠くから駆けつけてくれた家族や友人に“筑波が勝つこと”を見ていただけて良かったと思うし、この試合を見た”ちびっ子ラガーマン”が筑波に憧れを持つ機会になっていれば嬉しく思います。

応援ありがとうございました。

 

レビュー編集担当:西舞衣子

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