University of Tsukuba Rugby Football Club

From Pitch Side -ピッチサイドから-

日頃より筑波大学ラグビー部への多大なるご声援ありがとうございます。この度幣部OBの増田尚志さんがフロムピッチサイドを書いてくださいました。ぜひご覧ください!

From Pitch Side -ピッチサイドから-

テレビ中継では何度もアップ映像がスイッチングされた。
実況席からの放送コメントでも連呼された。
関西の客席からはピンチ、チャンスの度に大きな声援が飛んだ

「バチバチやで!がんばれ!」

筑波大学ラグビー部のチームスローガン「バチバチ」。

2022年12月25日。大学選手権準々決勝の舞台。
そこには、「バチバチ」を胸に戦う選手たちの姿があった。
そしてその姿は、テレビの中継スタッフや観客など多くの人の心を熱く動かしていた。

2022年2月12日。ホームページ上で、新体制とスローガンが発表された。
そこにはこのように書かれていた。

<スローガン>
まず前提としてスローガン「バチバチ」は“接点”や“泥臭さ”を武器とする筑波の根幹にあるものだと考えています。このスローガンを掲げた想いとしては学年、選手に関わらず、本気のやり合い、本気の言い合いをし、それを通したチーム内での「競争」、「協働」のプロセスを積み重ねることで日本一を目指せる集団にしたいというのが想いです。このスローガン「バチバチ」をチーム全員が体現し続け、結果は勿論のこと組織としても大きく変化したと思ってもらえるような1年間にします。
チームが本格的に始動したのは、300日以上前になる。
まだ凍える寒さの残る2月の段階から、日本一に向けての明確な目標を持ち、
スタッフ・選手すべての関係者が想いを共有し、長い日常を送ってきたに違いない。
その尊い日々をふつふつと思い起こさせる熱い試合を見せてもらった。

多くの企業・団体では「ブランディング戦略」の必要性が問われている。いかに社会に貢献していくか。いかに組織を作り上げていくか。そのために、どのような理念で戦っていくのか。重要な課題であり難題である。
「バチバチ」というスローガンが、チームをまとめるためにどれほどの価値があったのか。まさに激動を生きる多くの人にとっても参考になるのではないだろうか。

この一年、このチームは果たしてどのように活動してきたのだろうか…
「バチバチ」というスローガンにこめた想いを改めて見直すため、チームが発信してきた多くの記事を読み返してみた。

なるほど、、、
見事に正月越えを果たしたチームには、丁寧に積み重ねてきた力があり、
ひとつひとつの布石が結実した結果なのだと実感できる。

この記事をご覧になっている皆様も、是非、今年の経過を振り返りつつ、気になる記事を読んで欲しいと思います。もしかしたら自分の人生にも役に立つような新たな発見があるかも…そんな気がします。

いらぬお世話ではあるが「バチバチ」を少し分析してみた。私事ではあるが、テレビメディアでの業務が長く、企業のブランディング戦略などにもかかわっている。
タイトルをつけたり。
事象をコンパクトにまとめたり。
言葉の使い方に工夫が必要な局面で、「擬音語の使い方」がポイントになるといわれている。うまく使えば、すごくシンプルで人に伝わりやすい文章になる。逆に使い方を間違うと、なんだか浮わついた印象を与えてしまいかねない。
またマーケティング戦略や、言語学的な観点からは「4音」が、最も安定した長さだと考えられている。リズムがよく口なじみも耳なじみもいい「4音言葉」は、企業名やサービス名で多く取り入れられている。

「バチバチ」というスローガン。実は、論理的な分析からも、非常に効果的な言葉であることがうかがえる。
もちろんスローガンを考える際に、このような理由は考えていないだろうが、結果として
さまざまな観点から「適切な言葉」になっている点が興味深い。そして、ラグビーという競技の本質を見事に表現していることも、試合を重ねる毎に実感させられる。日本一を目指すチームが生み出した言葉の力に驚かされるばかりだ。
もちろん後付けの分析に意味はない。むしろ結果として「言葉を自分たちのものにした事実」にただただ感嘆するのみである。「バチバチのシーン」をグラウンド上で体現したからこそ、「バチバチという言葉」が光り輝くことになる。
 
 正月越えをかけた、特に後半40分の戦い。多くのシーンが「勝つに値するチームだった」ことを裏付けていたと思う。勝敗を分けたのはほんの少しの差であったことは間違いない。

 「体格で勝る相手にもバチバチ。真ん中をこじ開けられることがなかったこと」
 「ゴールキックには複数の選手がバチバチ。全力でプレッシャーをかけていたこと」
 「交代で入った選手もすぐにバチバチ。ターンオーバーの立役者になっていたこと」
 「同点劇を生むトライシーンでもバチバチ。そして冷静にポストサイドへ運び続けたこと」

そして、浮足立つことなく、終止で冷静だった姿も目についた。相手チームにはシンビンも含めて、いくつかの危険なプレーもあった。しかし決して騒ぐことはなく、すぐに集中を切り替えていた。全員が、次の「バチバチ」に備えていたに違いない。

 負ければ終わりの戦いに連勝してくれた頼もしいチーム。
一方で「バチバチ」をグラウンドで表現できる選手は限られる。筑波のグラウンドでは「バチバチ」を繰り返す多くの選手、スタッフが、日々を戦っている。チームスローガンはすべての関係者の共通意識の元で醸成されていく。最後の瞬間まで、自分ができることを全員がきっとやり切ってくれるはずだ。

シーズンも残すはあと2週間。
ラグビー関係者にとって「正月越え」は特別。これほど幸せなことはない。
そして「筑波のバチバチ」を観ることができるチャンスはあと2試合“も”ある!

父兄の皆様。OBの皆様。関係者の皆様。
 東海大学との戦いを観て涙を流した方も多かったのはないでしょうか?(古川部長と同期のキャプテンほか…)
筑波大学ホームページではすっかり恒例企画となった「4年生の想い」。今年は「全6回」に渡り掲載されています。
まだご覧になっていない方はもちろん、すでにご覧になった方も、是非もう一度。
「バチバチ」に込められた想いを存分に堪能できます!
最後にちょっとしたエピソード。ある4年生は、大学選手権が始まる直前、せっせと研究室の掃除を始めたそうです。とても心に響く行動ですね。
誇るべき選手たち、スタッフ、チーム関係者全員に変わらぬご支援を!そして最後まで声援を送り続けましょう!

筑波大学ラグビー部 広報アドバイザー 増田尚志

シーズンも残すところ2週間となりました。チームスローガンのバチバチを胸に部員全員で日本一に向けて取り組んで参りますので応援のほどよろしくお願いいたします。

編集担当:大坪健人

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