University of Tsukuba Rugby Football Club

全国大学ラグビーフットボール選手権大会 vs明治大学

1223()に秩父宮ラグビー場にて、全国大学ラグビーフットボール選手権大会の準々決勝である明治大学戦が行われました。

 

レビュー担当:村上大記(ヘッドBKコーチ)

 

〈試合総評〉

 明治大学とは夏の菅平、秋の対抗戦に続き今年3度目の対戦となりました。過去の対戦では明治大学の勢いのある攻撃に飲み込まれてしまったことから、今回の対戦ではDFではタックルに人数をかけてでもプレッシャーをかけて明治大学に勢いを出させないこと、ATではボールを保持して筑波大学が攻める時間を長くすることをプランとしていました。

 結果として、DFに関しては今シーズンで一番の出来であったと思います。もちろん完璧ではありませんでしたが、明治大学の圧力に負けずに粘り強く戦うことができていました。一方で、ATでは短いフェイズやチャンスの場面でのボールロストが目立ちました。何度か明治大学のDFを崩しかけ、流れを掴めそうな局面もありましたが、明治大学のプレッシャーや自分達の焦りもあってかボールを失い、一気に自陣に戻されるようなシーンも目立ちました。

 80分間の戦いの内60分間は互角に戦えていたと言えますが、最後の20分間は一方的な展開となってしまいました。ただし、最初の60分間を自分達の狙ったゲーム展開に持ち込むことができなかった点に敗因があると私は考えます。明治大学にとっても決して完璧な内容ではなかったと思われますが、彼らはその中でもチャンスを逃さずスコアを重ねました。筑波大学ももっとボールを保持して攻撃する時間を長く持てていれば、DFで疲弊することを避けつつ、スコアを重ねることができたかもしれません。試合中の修正力やATのディテールを突き詰められなかったことに私自身コーチとしての責任を感じています。

 

 谷山組の挑戦は全国ベスト8という結果で幕を閉じ、目標の日本一には届きませんでした。満足いく結果を残せなかったことに対しては、チームとして力が足りなかったことを受け止めなければなりません。

ただし誇るべき点も多々あり、特に私はキャプテンの谷山隼大(体育4年・福岡)を称えたいと思います。正直なところ初めの内は大丈夫かと心配することも多く、リハビリ期間が長かったこともあり、本人も難しさを感じながらもがいていたと思います。しかし復帰してからは、プレーはもちろん、様々な局面で先頭に立ち、責任を背負って最後まで戦ってくれました。対抗戦で帝京に大敗した翌週のチームミーティングで発した隼大の声のハリには驚かされました。いつもチームに前を向かせる素晴らしいキャプテンであったと思います。

 下級生には筑波大学ラグビー部が日本一になる時、どのような組織になっているか、どのような自分になっているか、今一度想像してみてもらいたいです。そこから逆算すると自分達の未熟な部分が見えてくるかもしれません。本気になれる人間がもっと増えて欲しいと思っています。

 最後に、今年も多くの方々からのご支援・ご声援に支えられたことに深く感謝を申し上げます。引き続き筑波大学ラグビー部の挑戦を応援していただければ幸いです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

 

〈印象に残ったプレー〉

3連続ドロップアウトを凌いだシーン」(後半14~

 後半開始してからは筑波大学が敵陣で攻撃する時間が続きましたが結局スコアすることができませんでした。その後は明治大学に攻められる時間が続き、その中で3連続でドロップアウト(GL2回、22m1回)を行う苦しい展開になりましたが、そのピンチを凌いだところにチームとしての粘り強さを感じました。

その後のマイボールスクラムからいい攻撃をして流れを変えられればというところでしたが

 

 

MOM

「高橋佑太朗(体育2年・茗溪学園)・濱島海(体育4年・福岡)

HB2人を選出させてもらいました。

高橋は今年最後の1ヶ月で大きく成長しました。この試合でもSHとしては大学No1であろうタックルに加えて、ATでもいい判断を見せました。来年はさらにリーダーシップを取ってチームを引っ張っていってもらいたいです。

海はチームの目指すATをやり切ってくれました。また彼の見せたラインブレイクには興奮しました。クールを装っていますが熱い男だと思っています。これからも自信を持って色んなことにチャレンジしてもらいたいです。

 

〈高橋佑太朗(体育2年・茗溪学園)のコメント〉

この度はMOMに選出していただきありがとうございます。

今回の試合では、序盤から攻守ともにチームにいい流れを生むことができたと感じています。後半は圧倒されてしまい、チームとしての目標である日本一に届かなかったことはとても悔しいです。

来年度は、この悔しさを胸に個人としてもチームとしてもさらなる飛躍のできる年にしたいと思います。

引き続き筑波大学の応援よろしくお願いします。

 

〈濱島海(体育4年・福岡)のコメント〉

MOMに選出していただきありがとうございます。

ご紹介に預かりました、実は熱い男です。

SOとしてチームを勝ちに導けなかったことを非常に悔しく思います。

試合を通して、自身の力不足を感じました。

チーム谷山はこの試合で終わりですが、来年以降は頼もしい後輩たちが今シーズンをこえる結果を見せてくれるはずなので、これからも筑波大学ラグビー部へのご声援をよろしくお願いいたします。

vroom!!

 

 

〈谷山隼大(体育4年・福岡)主将より、シーズンを終えてのコメント〉

今シーズンもたくさんの応援ありがとうございました。多くの方に支えていただき、最後まで全力でプレーすることができました。

 

シーズンが深まるにつれて、筑波のラグビーが洗練されていくことを実感し、自信を持って試合に挑むことができていました。それは、コーチ陣、4年生を中心に、いい練習にしようと、日々高い意識でラグビーに向き合うことができたからではないかと思います。

特に4年生には感謝しています。忙しい中、夜遅くのミーティングに出席して多くの意見を出してくれました。最後、先輩から引き継いだバチバチをテーマに掲げ、練習でも激しくやり合うことができ、選手権でのパフォーマンスに繋がったと思います。また、下級生からもリーダーシップを発揮してくれる場面が何度もあり、最初に思い描いていたいいチームになっていると感じていました。

 

今シーズン「VROOM‼︎」というスローガンを掲げ、チームの結束、キックオフからアクセル全開で臨むということを大切にしてきました。観てくださった方々に、僕らがやりたかったこと、試合にかける思いが伝わっていると嬉しいです。

 

最後に、目標だった日本一を達成できず、本当に悔しいです。しかし、どのような状況でも勇敢だった仲間とプレーできたこと、そして、筑波でキャプテンをさせていただいたことを心から誇りに思います。

来年も、その先も筑波大学ラグビー部の応援をよろしくお願いいたします。

 

 

〈嶋崎監督より、シーズンを終えてのコメント〉

2023年シーズンも筑波大学ラグビー部へのご支援やご声援いただき、ありがとうございました。

12/23の大学選手権準々決勝の明治大学戦をもってチーム谷山は終了となりました。

昨シーズンの準決勝の大敗から、日本一という目標を再度掲げ、その差を埋めるべくスタートしましたが、結果的には対抗戦は順位を1つあげて4位、大学選手権では1つ下げてベスト8という悔しい結果でシーズンを終えることになりました。悔しい結果にはなったものの、日頃からの多くの方々の応援やサポートが力に変わり、選手達は長いシーズンを戦い抜けたと思います。改めまして、感謝申し上げます。 

 9月に開幕した対抗戦では、初戦の慶應義塾大学戦に勝利できたものの、その後2敗して臨んだ帝京大学には再度大敗を喫し、チームは難局を迎えました。しかし、下を向くことなく、4年生を中心に持ち直し、11月はこれまで以上にカテゴリー関係なく練習には熱が入り、プレーの質や激しさも上げていきました。11月以降の対抗戦や選手権、そして練習試合でも結果を出しながら、我々が目指すプレーが発揮されるシーンが散見し、部員全員がチームの成長を感じられる時間を過ごせました。だからこそ、このチームの今後の成長をまだまだ見たかった、というのが正直な気持ちです。シーズン通じて多数の主力選手の怪我を出してしまったことは課題ですが、その結果多くのメンバーがジャージを着て、体を張って戦った経験は大きな財産にもなると思います。

シーズンを通して、何度も学年で話し合いを繰り返してチームを支え、「可能性を示し続ける」という方向性を示し、グラウンドはもちろん、それ以外の部分でもクラブに貢献してくれた4年生を誇らしく思います。共に活動した下級生が想いを引き継いでさらに成長した筑波ラグビーを示してくれると思います。

 来シーズン、部員達と共にクラブとしての歩みをさらに深め、日頃応援していただいている皆さんと喜びを分かち合えるようなシーズンを送れるように、取り組んでいきたいと思います。

改めまして、チーム谷山を応援していただきありがとうございました。

そして、今後とも筑波大学ラグビー部をよろしくお願いします。

筑波大学ラグビー部監督

嶋﨑達也

 

 

レビュー編集担当:西舞衣子

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