東北学院大学戦 試合レビュー
6月30日(土)にCHUBU UT Fieldにて、強化試合東北学院大学戦が行われました。
レビュー担当:高田 健太郎(体育4年・小樽)
〈総評〉
まず初めに、厳しい暑さの中、足を運んで力強い応援を届けてくださった皆様、そして最後まで真摯に戦ってくださった東北学院大学の皆様に、心より御礼申し上げます。今回の一戦は、春から筑波が取り組んできた「セットプレー」と「接点の質」に、どれだけこだわれるかが問われる試合でした。
試合は開始早々に動きます。前半1分、自陣22mでの相手ボールラインアウトからこぼれ球に素早く反応し、カウンターアタックを展開。テンポの良い球出しから楢本幹志朗(体育4年・東福岡)が鋭くラインブレイクし、岡本泰一(体育2年・茗渓)が先制トライを挙げます。ディフェンスにおいても、接点で常にプレッシャーをかけ続け、筑波らしいテンポで主導権を握り、前半を56-0と大きくリードして折り返しました。後半も筑波ペースで進みます。FW陣が安定したセットプレーでBKに良質なボールを供給し、勢いあるアタックで確実に得点を重ねていきます。終盤には一瞬の隙を突かれてトライを許す場面もありましたが、最終スコアは108-7で試合終了。これまで多くの課題を乗り越えてきたチームとして、確かな成長を実感できる内容となりました。
特筆すべきは、この試合が長期の怪我から復帰した選手たちにとっての復帰戦だったこと。彼ら一人ひとりが、ワンプレーに魂を込め、闘志をむき出しにして挑む姿勢は、チーム全体に良い影響を与えてくれました。この勝利は、まさにその努力の賜物であり、今後への大きな自信になったと思います。この一戦で得た手応えを夏に繋げ、「日本一」という目標に向かって、これからも愚直に、そして熱く挑戦していきます。
〈印象に残ったプレー〉
後半20分、自陣22mでの粘り強いディフェンスからターンオーバーを奪取。そこから素早くスペースへ展開し、相手のディフェンスラインが整う前に、廣瀬研太朗(体育3年・茗渓)がテンポ良くボールをさばきます。受けた前田結海は(国際3年・西湘)冷静に相手のギャップを突き、トライを奪いました。
このプレーは、春から取り組んできた課題である「ターンオーバーボールの使い方」に対し、15人全員が連動して応えた象徴的なシーンとなりました。
〈MOM〉
この試合のMOMには、楢本幹志朗を選出しました。
長いリハビリ期間を経ての復帰戦となった楢本幹志朗(体育4年・東福岡)でしたが、そのプレーには一切のブランクを感じさせない、堂々たるパフォーマンスが光りました。10番として試合をコントロールし、キックやパスの正確性はもちろん、鋭いラインブレイクで相手ディフェンスを翻弄。さらに、常に声を出し続けて仲間を鼓舞する姿勢は、まさにチームを前へと押し出すエンジンそのものでした。
彼の存在が、この日の筑波に勢いを与えたことは、間違いありません。
〈楢本 幹志朗(体育4年・東福岡)のコメント〉
この度はMOMに選出していただき、ありがとうございます。
今回の試合は、怪我から半年ぶりの復帰戦でした。体力面やメンタル面で不安も多くありましたが、久しぶりの実戦を心から楽しむことができました。ただ、キックの精度やフィットネスなど、まだまだ課題も多く、本番のシーズンに向けてしっかりと準備していきたいと思います。チームの「日本一」という目標に、個人としても貢献できるよう全力を尽くします。
そして、手術を担当してくださった宮本先生をはじめ、支えてくださったトレーナーの皆様、復帰に関わってくださった全ての方々に心から感謝しています。
これからも筑波ラグビーの応援を、どうぞよろしくお願いします!
レビュー編集担当:谷川智樹